老後に備えるリフォームとは

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更新日:2024.02.27


最近は「人生100年時代」とも言われ、長生きを「リスク」と捉える風潮もあります。
しかし、長生きがリスクになるか幸福になるかは、備えが足りているかどうかにかかっています。備えには、個人の力ではどうにもならない社会的なものもあるかもしれません。

しかし、自力でどうにかできるものもたくさんあります。そのうちの一つが、「自宅を備える」ということです。
安心した老後を迎えるためにできるリフォームを紹介します。

転倒の防止対策

手すりの設置

バランスを崩したときに頼りになるのが手すりです。
家の中では段差を乗り越えるときや、姿勢を変えるときがバランスを崩しやすいところです。
具体的には、玄関の上がり框、階段、掃き出し窓からの出入り、トイレの立ち座り、浴槽に入る際のまたぎなどです。
特に、階段の手すりは2000年以降の建物には法律で設置が義務づけられています。階段からの転落は思わぬ大ケガにもつながりますので、付いていない場合は早めの設置をお勧めします。

体の状態によっては廊下や居室にも連続した横手すりが必要になることもありますが、横手すりなら特別な下地補強の工事をしなくても、柱などの構造材を利用して取り付ける方法があります。
不要な手すりはかえって邪魔になる場合もあるので、連続手すりは必要になったときに設置するというスタンスで大丈夫です。

手すりの設置はもちろんですが、足を踏み外さないように階段の踏み板にノンスリップ(滑り止め)を付けるなどの配慮も有効です。

床段差の解消

昔のドアは、床に「くつづり」と呼ばれる1〜2センチメートルの高さの段差がありました。
この程度の段差は健常なときには何も意識しませんが、怪我や障害などが原因となり摺り足で歩くようになると、これが引っ掛かりやすい段差となります。

トイレや和室にも数センチメートルの段差がある場合もありますが、いずれも床のリフォームを行うついでに段差を無くすことができます。
段差を乗り越えるという動作は必ずしも悪いことではなく、体力を維持するためにはむしろ段差はあった方がいいという考えもあります。
ただ、数センチメートルのわずかな段差は歩行中の転倒の原因となりやすいため、リフォームの際にできるだけ解消しておくと良いでしょう。

介護者のためにもなるリフォーム

トイレの回収

トイレは毎日必ず使う場所です。高齢期にトイレで問題になるのは、出入口が狭い場合です。
体調を崩した時などに介助者に手伝ってもらうというケースは意外に多く、入り口が狭く奥に細長い一般的なトイレでは、これが大変困難なのです。

この手のトイレに有効なのは、出入口の方向を変え、できるだけ開口幅の広いドアとすることです。
この場合も壁や柱など構造体の変更が伴うため、前項のドアから引戸へ変更するのと同様に、必ず建築士資格を持った設計士に構造を検討してもらいましょう。また、立ち座りの際の支えとなる手すりも一本付けておくと安心です。

お風呂の改修

現在のお風呂が、出入り口に10センチメートル以上の床段差がある場合は、ユニットバスにリフォームすることで床段差を無くすことができます。
また、ユニットバスに断熱材をオプションで追加すれば、家全体の断熱工事まではできない場合でも、浴室だけは温かい空間を作ることができます。

お風呂は介護者と一緒に入ることも想定し、トイレと同様に出入り口は開口幅が広めの引戸にしておくと安心です。
ユニットバスの手すりは必要になった時に後付けが可能ですが、シャワーの高さを自由に設定できるシャワーバーが手すりを兼ねる商品もあり、浴槽へ入る際の支えにもなり安心です。

その他のリフォーム

収納を手の届く高さに設定

これから収納を考えるなら、高さに配慮したいところです。
というのも、70代頃から腕の可動域が狭くなり、吊戸などの高所は荷物の出し入れが大変な作業になってしまうからです。

また、床下収納も出し入れの姿勢は腰などに負担が大きいです。収納は高さが重要で、上限が目の高さ、下限が膝の高さを目安に収めておくと、長く便利に使い続けることができます。
吊戸を撤去すれば天井面が広く見えるため、お部屋全体も広く感じられるようになります。
リフォームは断捨離のチャンスです。この際思い切って不要なものを処分し、コンパクトな収納に変えるのも良いかもしれませんね。

出入口を広く、引戸へ変更

リフォームで室内の建具を交換する予定があれば、開口部の幅はできるだけ広く、可能であれば引戸に変えると良いでしょう。
開き戸では手前に開く際には一旦後ろに下がる動作が必要で、障害の程度によっては後ずさりが難しくなる場合もあり、また車椅子対応という点でも引戸は優れています。

開け放しても邪魔になりませんし、引戸は誰にとっても使いやすいです。
ドアから引戸に簡単にリフォームできる商品もありますので、施工業者に相談してみてください。
ただし、今よりも開口を広げたり壁を撤去して新しく開口したりする場合は、耐力壁かどうかの確認をしなければ安易に行うことはできません。

壁や開口部の位置を変更する場合は、必ず建築士資格を持った設計士に検討してもらいましょう。

※参考文献:高橋みちる.2020. やらなければいけない一戸建てリフォーム. 自由国民社

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