プロパンガスは安定して供給される?備蓄量について解説

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更新日:2026.05.13

プロパンガスを安定して供給するために行われている施策

日本で消費するエネルギーの殆どは海外に依存しています。つまり、輸入でまかなわれています。
しかし、現代はガスや石油などのエネルギーなしで国民の生活を維持していくことはできません。
そこで、国ではいくつかの手段を講じています。

まず、できるだけ多くの国からエネルギーを輸入するよう、業界を指導しています。
これはリスクの分散をするためです。
極端ではありますが、輸入元が一国だと、その国との関係が悪化したら、国民の生活がショートしてしまうからです。
また、エネルギー生産国には中東の国が多く、実際に日本がゆう入試ているプロパンガスの半分以上は中東の国が産地です。
それらの中には現在紛争中の国もあり、大規模な戦争が起きれば、日本へのエネルギーの輸出が行われなくなります。
そのような事態が起きてもガスの供給が出来るように、複数の国と取引しているのです。
また、ガスや石油が不足したときのために、備蓄も行っています。いざというときに切り崩して、国民に供給するためです。
ガスエネルギーの備蓄は、国で行いつつ、民間のエネルギー会社にも法律で義務付けられています。

国内備蓄のきっかけはオイルショック

国内備蓄がスタートしたのは、第一次オイルショックで日本がダメージを受けたことがきっかけです。
1973年に第四次中東戦争が勃発し、OPEC(石油輸出国機構)加盟の産油国のうち、ペルシャ湾岸の6ヵ国が原油公示価格を1バレル3.01ドルから5.12ドルへ約70%という大幅値上をすることを発表しました。
続いてOAPEC(アラブ輸出国機構)が原油生産の削減を決定。さらにOPECは1バレる5.12ドルから11.65ドルへの値上を決定しました。
この自体による世界経済へのダメージが第一次オイルショックです。

当時、日本ではさまざまな公共工事を延期や中止にしなければならなくなりました。
新幹線の建設は大幅に延期本州四国連絡橋の建設も大幅な延期を決定しました。

プロパンガスの備蓄義務化の歴史

プロパンガスと石油の備蓄義務化のプロセスは次のとおりです。

1975年 石油を法定備蓄として義務付ける(石油備蓄法制定)
1981年 LPガスを法定備蓄として義務付ける
1989年 LPガス法定備蓄義務料50日を達成
1998年 国家備蓄会社発足
国が備蓄するエネルギーが国家備蓄、民間の元売業者が常時保管しているエネルギーは法定備蓄です。

国内備蓄基地について

国家備蓄の基地は国内5箇所で、備蓄容量は茨城県神栖基地が約20万トン
石川県七尾基地が約25万トン、岡山県倉敷基地が約40万トン、愛媛県波方基地が約45万トン、長崎県福島基地が約20万トンです。
備蓄には地上の低温タンク型と地下のトンネル型があります。
一方、法定備蓄の基地は全国に30箇所以上あり、岩谷産業、コスモ石油ガス、昭和シェルが共同で建設した茨城県鹿島の基地は約22.7万トンも備蓄できる規模です。

プロパンガスが多く使われるタイミング

プロパンガスも石油も、年間を通して同じ量が消費されるわけではありません。
暖房や湯沸かしの量が増える冬がピークとなります。

そのため、多くの元売業者は需要の少ない春から夏に在庫を増やしていきます。
その結果として、年間を通して安定して供給することができ、輸入元の国とも良好な関係を築けます。

プロパンガスの消費量

日本でのプロパンガスの年間消費量は、2012年度では1657万トンです。
そのうち、家庭用が827万トンです。
一方、都市ガスの販売数量は369億立法メートルで、うち家庭用は98億立法メートルです。
プロパンガスは家庭用が全体のおよそ半分で、都市ガスは1/4ほど。世界規模で見ても、プロパンガスはその約半分が家庭用として使われている傾向にあります。

プロパンガスを使う家庭は2400万戸、都市ガスは2940万戸。
単位が違うため、どちらの需要が多いのかわかりにくいのですが、家庭用に限って言えば、大きな差はないようです。

※参考文献:後藤庄樹.2017. エネルギー戦国時代はプロパンガスが制する. 幻冬舎