プロパンガスは分散型エネルギー?そのメリットとは

自然災害の多い日本で評価が高まるプロパンガス
日本は地震大国であり、なんと全世界で起きる自信の10分の1は日本で発生していると言われています。
また台風も多く、地域によっては大きな被害が出ていることもあります。
こうした、大規模な自然災害に強いのがプロパンガスです。
導管型と分散型の違い
電気も、都市ガスも、それぞれガス管や電線で繋がっているから各地にエネルギーを供給できています。
しかし、これまでの大規模災害では、ガス管も電線も寸断されてしまいました。
どこか1ヵ所でも切れると、広範囲にわたって機能しなくなるのが、導管型エネルギーの弱点です。
一方、プロパンガスは分散型。つまり、ボンベさえ運べたら、どこでも火力を使うことが出来ます。
自宅にボンベがあれば、ホースを繋いで点検をするだけで使うことができます。
その利点はさまざまな自然災害の現場で活かされてきました。
東日本大震災の例
東日本大震災では、岩手、宮城、福島を中心に、揺れや津波により、各地で電気やガス、水道などのライフラインが寸断されました。
あまりにも広範囲で、しかも東北だけでなく東京を含む関東地方も、揺れとその後の液状化現象などによって、復旧に時間がかかりました。
そんな大混乱のなか、ほかのエネルギーより早く機能したのがプロパンガスです。
その理由は、プロパンガスが持ち運ぶことができ、各家庭で在庫を持つこともできる分散型エネルギーであることです。
よほどの大所帯でない限り、プロパンガスのボンベが1本あれば、1ヶ月ほど生活することができます。
1ヶ月暮らせれば、その間にさまざまな復旧対策を講じることができますし、支援物資も届くでしょう。
東日本大震災では、被災地に向けて全国から水や食料、衣類などが支援物資として運ばれました。
そして同時にプロパンガスも全国の事業者から提供されています。
プロパンガスは液化させれば体積を250分の1にまで圧縮できるため、効率よく運搬できます。
その特性を生かして、炊き出しが行われる被災地の体育館や学校、公園に全国からプロパンガスが集まりました。
暖かさを提供するプロパンガス
震災当初、被災地に集まった食事はおにぎりや菓子パンをはじめとする、運びやすく、ある程度保存ができて、小分けにしやすいものが中心でした。
しかし、被災した人々は、来る日も来る日も冷たい食事が続くと、ストレスが蓄積されていきます。
そんなタイミングでプロパンガスが届くことで、みそ汁、豚汁、カレーライス、スープ、お茶など温かい食事を取ることができるようになりました。
また、食事だけではなく緊急時に寒さをしのぐ暖房としても重宝しました。
災害対応型バルク供給システムとは
災害に備えて、「災害対応型プロパンガスバルク供給システム」を備えている地域もありました。
このシステムが多くの人を救っています。
「バルク」というのはパッケージの意味を持ちます。災害バルクとはプロパンガスの貯蔵、メーター、ホース、圧力調整器などの供給設備、コンロ、発電機、暖房機器などをパッケージにした災害対策設備です。
このバルク設備のあった地域は、震災直後に各家庭に残っていた食材をみんなで持ち寄り、すぐに炊き出しを行うことが出来ました。
また、バルクローリーによってい、ボンベよりもはるかに多くのプロパンガスを運搬して貯蔵できます。
そのため、災害バルクの備えのある地域は、震災後早い時期に入浴もできました。
災害バルクの性能
災害バルクは、主に300キロ、500キロ、1000キロの3つのサイズがあります。
「1トン型バルク」といわれている1000キロ貯蔵できるバルクならば、10日間で、
プロパンガス発電機(定格出力900VA)を 1台稼働し、ガスストーブを24時間使用でき、ガス炊飯器で1日3食70人分のご飯が 炊けて、ガスコンロ2台で温かい汁物を作り、給湯器1台で1日3時間シャワーを浴 びることができます (水が確保できていることが前提)。
大地震の場合、日本では発生後48時間をいかに乗り切るかが重要といわれています。2日間しのげれば、救援物資が届くからです。
災害バルクは、分電盤に接続することで、ガスを電力に変換できます。エアコン5台、蛍光灯24本、パソコン5台、液晶テレビ2台、携帯電話の充電100台の同時使用を、1トン型バルクならば385時間、500キロバルクなら192時間、300キロバルクなら115時間利用できます (定格出力8.0kVAの場合)。
※参考文献:後藤庄樹.2017. エネルギー戦国時代はプロパンガスが制する. 幻冬舎